井出創太郎+高浜利也のユニットが3年3期に亘る制作活動として進めている「落石計画」。北海道根室地域の歴史の生き証人ともいえる旧落石無線送信所跡の廃墟となった建物の再生を図りながら、地方(=周縁)からの脱中心的な文化発信や、あらたなコミュニケーションのあり方の可能性を模索する実験プロジェクトです。 

いよいよ第2期、井出と高浜のユニットでの銅版・石膏キューブによる対話空間(=茶室)の公開制作がはじまります。また、池田良二、井出創太郎+高浜利也、そして続く若いアーティストたちの3世代が落石という場をテーマに制作したサイトスペシフィックな作品群を一堂に展観する「Scattered Seeds 残響 展」をワークショップやギャラリートークなどの関連行事とあわせて開催します。  時代を越えて受け継がれてゆく創造の血脈。旧落石無線送信所の保存・活用という場の中継行為に重ね合わせながら、世代間の文化継承を美術の力で具現化させ、かつての無線局からふたたび落石を世界へ向けて発信すること。これが「落石計画」の最終的な目的です。